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相続税申告の流れ

  • 文責:所長 税理士 武田彰弘
  • 最終更新日:2024年2月2日

1 相続税申告の流れ

基本的に、相続税の申告を行う場合は、以下のような流れで進んでいきます。

①相続税申告の要否の判断

②相続税の概算額の把握

③各種書類・資料の収集

④相続人と財産内容の確認

⑤相続税納付方法の検討

⑥遺産の分割方法の決定(遺言書・遺産分割協議)

⑦相続税申告書の提出

⑧相続税の納付

なお、相続税の申告には、相続の開始を知った翌日から10か月以内という期限がありますので、迅速に手続きを行う必要があります。

この期限までに間に合わないと延滞税等の税金が課せられることがありますので、期限までに間に合いそうにない場合は、早めに税理士に相談されることをおすすめします。

2 ①相続税申告の要否の判断

そもそも相続税は、相続財産の価額が一定の基準以下の場合、申告は不要です。

この基準のことを基礎控除額といいます。

基礎控除額は、【3000万円+相続人の数×600万円】という計算式で計算されます。

例えば、相続人が2人の場合、3000万+600万×2人=4200万円が基礎控除額となり、相続財産の総額が4200万円未満の場合、相続税の申告は不要です。

このように、相続税の申告が必要かについては、預貯金及び不動産、株式、借金等の概算での合計額が基礎控除額を超える可能性があるかどうかで判断します。

相続財産が2000万円程度で、基礎控除額が4200万円の場合、基本的に相続税の申告は不要という判断になります。

他方、相続財産の概算額が4000万円程度で、基礎控除額が4200万円の場合、相続税がかかる可能性があります。

そのような場合は、念のため、財産額をしっかり調査し、相続税の申告が必要かどうかを見極める必要があります。

3 ②相続税の概算額の把握

相続財産額が基礎控除額を超え、相続税の申告が必要な場合、次に相続税の概算額、つまり、おおよそどのくらいの相続税がかかるのかを把握する必要があります。

なぜなら、相続税を相続財産の中から支払えない場合、不動産を早期に売却する必要があるなど、相続税の納税方法を早い段階から検討する必要があるためです。

相続税の計算方法は、以下の手順となります。

⑴ 相続財産総額から基礎控除額を控除し、課税される相続財産額を算出します。

⑵ 各相続人が法定相続分で相続財産を取得したと仮定して、課税される相続財産総額を分けます。

⑶ ⑵に基づき、各相続人について、それぞれ相続税率を乗じて相続税額を計算します。

⑷ ⑶の相続税額を合計し、相続税額全体を算出します。

例えば、相続財産が預貯金1億円のみで、相続人が子2人のケースで計算してみます。

まず、⑴基礎控除額は、3000万円+600万×2人=4200万円となるため、課税される相続財産額は、1億円から4200万円を控除した5800万円となります。

次に、⑵各相続人は、基礎控除額を控除した後の5800万円を各相続人が法定相続分である2分の1ずつ取得したと仮定するため、各法定相続人は、2900万円を取得したと計算されます。

また、⑵で計算された2900万円に対し、⑶各相続人の相続税率は、15%から50万円を控除した額となるため、2900万円×15%-50万円の385万円となります。

相続税率の詳細については、国税庁のホームページをご参照ください。

参考リンク:国税庁・相続税の税率

最後に、⑷で、⑶で求めた税額の合計額が相続税の合計額となるため、385万円×2=770万円が相続税の合計額となります。

4 ③各種書類・資料収集

相続税の総額の概算が計算できたら、いよいよ相続税の申告に必要な書類を取得することになります。

必要となる書類は、相続財産の内容や相続関係においても異なりますが、基本的には、相続財産額を証明できる資料と、被相続人及び相続人に関する資料が必要となります。

相続財産額を証明できる資料としては、預貯金通帳や残高証明書、入出金履歴、不動産の固定資産税評価証明書や登記事項証明書、森林簿や株式の配当証明書等があります。

また、葬儀費用の領収書や入院費・医療費などの負債に関する資料も必要になります。

そして、被相続人及び相続人に関する資料として、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、住民票等が必要になります。

これらの書類については、できる限り早めに取得しておいた方がよいため、取得が難しい場合は、専門家に依頼して代行してもらうことをおすすめします。

5 ④相続人と財産内容の確認

各種書類が取得できたら、相続人と相続財産を改めて確認します。

相続人が抜けていた場合は、相続税の計算自体が変わってくるため、相続人の範囲に間違いがないかを今一度確認しておいた方がよいかと思います。

また、相続財産についても、漏れがあった状態で申告し、その後、申告漏れが判明した場合、本来の相続税額に上乗せした相続税を支払わなければならないこともあるため、相続財産の内容の確認も慎重に行う必要があります。

6 ⑤相続税納付方法の検討

資料が揃い、相続人及び相続財産内容に誤りがなければ、相続税の納税方法も検討する必要があります。

相続税は、現金かつ一括で納めるのが原則です。

相続財産に預貯金が少なく、相続税を納められない場合には、不動産を売却して納税資金に充てる方法や、相続税の延納を申請する方法をとったり、そして、物納が可能な場合に物納するという方法をとったりすることもあります。

7 ⑥遺産の分割方法の決定(遺言書・遺産分割協議)

相続人が複数人いる場合、遺産の分け方を決める必要があります。

遺言書がある場合は、それに従って遺産を分けますが、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

この遺産分割協議で揉めてしまい、10か月の期限に間に合わない場合は、一旦、相続人が法定相続分どおりに遺産を取得したとして、相続税の申告をし、税金を納める必要があります。

8 ⑦相続税申告書の提出

遺産の分け方が決まったら、いよいよ相続税申告書を作成し、税務署に提出します。

税務署は、申告書に間違いがあり、多めに相続税を支払ったとしても、指摘はしてくれません。

他方、間違った申告をしてしまい、適切な相続税よりも少ない額だけ納めた場合、後日、税務調査に入られたり、追徴課税を課せられたりすることがあります。

そのため、相続税の申告をする際は、間違いがないように申告書を作成する必要があります。

9 ⑧相続税の納付

相続税申告書を提出したら、相続税の納付も行います。

納付の方法は、税務署の窓口で支払う方法だけでなく、金融機関で納付する方法、コンビニ払いやクレジット払いがあります。

もっとも、コンビニ払いやクレジット払いについては、相続税の納税額によっては利用できない場合もあるため、実際には金融機関での支払いが多いです。

10 相続税の申告は税理士にご相談を

このように、相続税の申告については、相続税に関する様々な専門知識が必要であり、また、書類の取得など煩雑な手続きが必要になる場合があります。

そのため、期限内に相続税の申告をすることが難しそうな場合やご自身で手続きを進めるのが不安な場合には、税理士にご相談されることをおすすめします。

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