「相続税申告」に関するお役立ち情報
期限内に相続税を申告・納付できなかった場合のペナルティ
1 期限内に相続税を申告・納付できなかった場合
相続税の申告期限を過ぎてしまうと、様々なデメリットやペナルティがあります。
相続税の軽減ができる特例が使えなくなりますし、追徴課税がされるリスクがあります。
具体的には、①延滞税、②無申告加算税、③過少申告加算税、④重加算税といったペナルティが課される可能性があります。
① 延滞税
相続税を定められた期限までに納付しなかった場合に課されるものです。
延滞税は、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する金額が自動的に課されます。
なお、延滞税は本税だけを対象として課されるもので、加算税などに対しては課されません。
② 無申告加算税
無申告加算税は、相続税の申告を行わなければならないのに、正当な理由がなく、申告期限までに申告を行わなかった場合に課税されるものです。
注意点としては、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を利用する場合、仮に支払う相続税が0円になるとしても申告をしなければなりません。
期限までに申告しなかった場合は、特例の適用を受けていない前提で相続財産の総額が計算され、その額に対して相続税が課税され、さらに無申告加算税も課税されることとなります。
③ 過少申告加算税
相続税の申告はしたものの、税額を少なく申告していた場合に課されるものです。
税務署から指摘を受ける前に自主的に申告した場合は、過少申告加算税は課されません。
④ 重加算税
相続財産を意図的に隠したり、偽ったりした場合に課税される税です。
2 ペナルティを受けることが無いよう早めに準備する
以上のように、相続税の申告期限までに適切に申告・納付しないと、様々なペナルティを課される危険性があります。
相続が発生した場合は、できるだけ早く相続税の申告期限を確認し、早めに準備をすることをおすすめします。
⑴ 最初に相続税申告までのスケジュールを確認
まずは、相続税をいつまでに支払わなければならないかという相続税申告期限の確認から始めましょう。
相続税の申告期限は、通常は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
申告だけではなく、納税も含めて10か月以内にする必要がある点に注意が必要です。
なお、申告期限にあたる日が土日祝日の場合は、これらの日の翌日が申告期限になります。
⑵ 相続税の申告が必要かどうかを確認する
亡くなった方の相続財産の金額によっては、相続税が発生する場合があります。
相続をしたら、すべての人が相続税を払わなければならないという訳ではありません。
相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、相続税申告が不要ですし、相続税を支払う必要もありません。
他方、基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。
⑶ 相続税の申告期限を延長することはできるか
相続税の申告・納付期限は、例外として認められる場合を除き、原則として延長することができません。
相続税の申告期限の延長が認められる場合については、こちらの記事をご確認ください。
そのため、相続税の申告が必要かどうかの判断や、申告が必要な場合の準備は、できるだけ早めに行うことをおすすめします。