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2023年1月13日
相続税制度
相続税が還付されることがあるのですか?
相続税の計算に誤りがあった等の理由で、相続税を多く払いすぎていたというケースがあります。なぜ、相続税を払いすぎてしまったということがあります。なぜ、相続税を払いすぎてしま・・・
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2022年12月5日
相続税申告
相続税申告に必要な費用
相続税の申告を税理士に依頼しようとお考えの方の中にも、税理士に支払う費用がどれくらいかかるのか気になるという方は多いと思います。そこで、相続税申告にかかる税理士費用・・・
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2022年11月14日
相続税申告
相続税申告の流れ
基本的に、相続税の申告を行う場合は、以下のような流れになります。 ①相続税の申告が必要かの見極め ②相続税の概算額の把握 ③各種書類・資料収集 ④相続人と財産内容の確認・・・
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2022年11月4日
相続税対策
贈与を上手に利用するための方法
一定程度の財産を持った方が亡くなった場合、その相続人は相続財産の金額に応じて相続税を支払わなければなりません。しかし、相続税の金額を極力抑えて、大切な家族により多くの・・・
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2022年10月7日
相続税対策
賃貸アパートを建築して相続税対策
相続税対策の方法のひとつとして、賃貸アパートの建築があります。なぜ賃貸アパートの建築が相続税対策になるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。まず、相続税の計算・・・
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相続税に強い税理士に相談するべき理由
1 相続税の申告に対応できない税理士も多い
国税庁の発表によると、年間約12万件の相続税申告がなされています。
所得税申告が年間2200万件以上、法人税申告が年間300万件以上ということを考えると、相続税は圧倒的に申告件数が少なく、税理士が相続税の申告に触れる機会は少ないといえます。
法人税や所得税の確定申告を主な業務としている税理士ですと、よりいっそう相続税の申告に触れる機会が少なくなるため、相続税法の知識等も十分とはいえない場合があります。
また、そういった税理士は、納税者と所得税や法人税に関して顧問契約を結んでいますので、顧問業務と並行して、突発的に発生する相続税申告に対応しようにも、時間が十分に取れず適切な申告を行えないということも考えられます。
2 相続税申告の経験数は税理士によって大きな差がある
税理士の登録人数は全国で約7万人です。
相続税申告数から単純に計算すると、平均して税理士一人あたり年間1件から2件程度の申告しかしないことになります。
ただし、税理士の中にも、相続税申告を集中的に扱っている税理士がいます。
そのため、年間何十件も相続税の申告をこなしている税理士もいれば、相続税の申告を一度も行ったことのない税理士もいるというのが実情です。
相続税の申告に対する経験と知識は税理士ごとにかなりの格差があり、その格差は、開き続けているといえます。
3 相続税の申告に不慣れな税理士に依頼するとどうなるか
相続税の申告を得意としていない税理士に依頼をしてしまいますと、税理士が財産の価値を適切に見積もれなかったり、使用できる特例を見落としてしまったりして、適切な金額の相続税を申告できなくなってしまう恐れがあります。
申告・納付した相続税の金額が少なすぎると、後から税務調査に入られて追加の支払いが必要になることがありますし、反対に納付した相続税の金額が多すぎた場合も、還付請求をしない限りは過剰な金額を納付したままになってしまいます。
また、相続税を集中的に取り扱っていない税理士は、相続税申告書を作成するのにかなりの時間がかかることを見越して、税理士報酬を高く設定する傾向にあります。
他方、相続税を集中的に取り扱っている税理士は、申告書作成に慣れているので、慣れていない税理士に比べ一件あたりにかける時間が少なく済み、税理士報酬を相場より低くしても利益がでることもあり、相場よりも低めで報酬設定をしていることが多いです。
4 相続税に強い税理士にご相談ください
以上のとおり、相続税の申告を適切に行えるかどうかは、申告する税理士によって変わってきます。
ご相談の際は、相続税の申告を得意としている税理士をお探しになることをおすすめいたします。
また、依頼する税理士との相性も大切です。
相続税の申告は、相続財産を全て開示する必要があるだけでなく、ときには家族関係についても話さなければならないこともあります。
被相続人が生前贈与をしている場合であれば、相続人の財産の確認が必要になることもあります。
そういったデリケートな話をしやすいかどうかは、実際に会ってみなければわからないことも多いです。
当法人はそのような点もふまえて依頼するかどうかをご検討いただけるよう、相続税のご相談を原則無料でお伺いしております。
豊田市駅の近くに事務所を構えておりますますので、豊田にお住まいで相続税についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
相続税について依頼する税理士の選び方
1 どの税理士に依頼するかで相続税が変わる場合がある
相続税の申告について、どの税理士に依頼するかによって、納税金額が変わることがあります。
たとえば、ある税理士に依頼したところ、納める相続税額が500万円と計算されたが、別の税理士にも確認をとったところ、納める相続税額が200万円程度となる場合があります。
なぜ同じ相続案件にも関わらず、納める相続税額が変わるのでしょうか。
その答えは、税理士の中にも、相続税に詳しい方と相続税に詳しくない方がいることにあります。
相続税に詳しい税理士であれば、土地や株式の評価を適正に行え、かつ、様々な特例を活用することにより、納める相続税が安くなる(適正な価格になる)可能性が高いです。
他方、相続税に詳しくない税理士であれば、土地や株式の評価を適正に行えず、また、特例の活用も十分にできないため、適正な相続税額より高い額で相続税を納めることになるかもしれません。
実際、あまり相続税に詳しくない税理士に相続税の申告を依頼した結果、適正な金額よりも1000万円以上高く相続税を支払ったケースもあります。
なお、相続税を適正な額よりも高く支払った場合でも、税務署は、納税者の請求がない限り、払いすぎた相続税を返してくれることはありません。
そのため、多めに払いすぎた相続税は、納税者が動かなければ、払いすぎたままになるのです。
2 相続税に強い税理士にご依頼を!
このように、相続税の申告を税理士にご依頼される場合は、相続税に強い税理士に依頼することをおすすめします。
一般的に、ほとんどの税理士は、所得税や法人税の申告業務をメインで行っており、相続税の申告をメインでやられている方はあまり多くありません。
現状、一部の税理士が数多くの相続税を集中的に行っており、ほとんどの税理士は、年間に数件相続税の申告をするか、しないか程度です。
また、税理士の中には、相続税の申告を一度も行ったことがない方や、相続税の勉強をほとんどしてこなかった税理士もいます。
なお、現在の法制度では、相続税を全く勉強していなくても、税理士資格を取得することができてしまいます。
このように、税理士の中には、相続税に詳しくない方も多くいるため、税理士選びに失敗しないためにも、長年お付き合いのある税理士や、知り合いの税理士ではなく、相続税に特化した税理士にご相談されることをおすすめします。
3 相続税に強い税理士の選び方
それでは、具体的に相続税に強い税理士の選び方について、ご説明します。
基本的に相続税に強いかどうかについては、①税理士の数、②ホームページの内容、③弁護士や行政書士などの士業との連携が取れているかによって、ある程度判断することが可能です。
まず、①税理士の数について、税理士の数が多いほど、所得税や法人税以外の分野にも力を入れている可能性があり、相続税に専門特化している可能性があります。
税理士の数が多いほど、役割分担が可能になるためです。
また、②ホームページの内容が相続税に特化したものであれば、それだけ相続税の申告に自信があるということであり、相続税に強い可能性があります。
さらに、③弁護士や行政書士との連携が取れているかに関しては、一般的に相続税の申告案件は、弁護士や行政書士等の士業から紹介されることが多くあります。
そのため、他士業と連携が取れている事務所であれば、他士業から相続税の申告案件の紹介を数多く受けている可能性があり、相続税の申告の経験が豊富である可能性があります。
このように、相続税に強い税理士かどうかについては、ホームページを確認するなどで、ある程度判断することができます。
また、私のおすすめとしては、相続税の無料相談を実施している事務所もありますので、そういったところにご相談に行き、実際に相続税を今まで何件行ってきたか等を聞いてみることもおすすめします。
相続税の申告で損をしないためにも、相続税に特化した税理士に依頼しましょう。
相続税の申告が必要な場合
1 遺産額が3000万円以上だと相続税の申告が必要になる場合がある
亡くなった方の遺産が一定の基準額を超えると、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。
この一定の基準額のことを基礎控除額といいます。
基礎控除額は、「3000万円+法定相続人の数×600万円」で計算されます。
例えば、相続人が2人の場合は、遺産額が4200万円以上であれば相続税の申告が必要になります。
なお、この法定相続人の数については、相続人の中に相続放棄をした方がいたとしても、相続人として数えられます。
また、実子と養子がそれぞれいた場合、養子が2名以上いたとしても、相続税の計算上は、相続人は、養子1人として数えられます。
2 相続税がかからなくても相続税の申告が必要になる場合がある
このように、遺産総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要になります。
もっとも、相続税の申告は必要ですが、相続税がかからない場合もあります。
代表的なものとして、小規模宅地等の特例を活用すれば、遺産総額が基礎控除を超えない場合があげられます。
ここで、小規模宅地等の特例について簡単にご説明すると、自宅の土地や駐車場の土地等について、相続税上の価額を最大80パーセントも減額することができる制度です。
例えば、相続人が2人、遺産として自宅の建物が1000万円、土地が5000万円のケースだと、基礎控除額(4200万円)を超えるため、通常は相続税の申告が必要です。
ここで、小規模宅地等の特例を適用できた場合、土地の価格が80パーセント減の1000万円となります。
そのため、遺産総額が2000万円となるため、相続税がかからなくなります。
ただ、この小規模宅地等の特例については、相続税の申告をしないと使えない制度ですので、必ず相続税の申告を行う必要があります。
3 相続税の申告は一度専門家にご相談を
基礎控除額を超える場合、10か月以内に相続税の申告を行う必要があります。
この期限を超えてしまうと、延滞税や無申告加算税などの税金を追加で支払わなければならなくなる可能性があります。
また、場合によっては、相続人の財産を差し押さえられることもあります。
そそのため、概算でも良いので遺産の総額を計算していただき、基礎控除額を超えそうな場合は、一度、専門家にご相談されることをおすすめします。
なお、当法人では、相続税に関するご相談は原則相談料無料で実施しておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
相続税の相談先
1 相続税に関する相談は税理士に
相続税の申告は、原則として税理士しか代行できません。
そのため、相続税に関するお悩みは、税理士に相談するようにしましょう。
その他の専門家の中には、相続税に関する誤った知識を持っている方もいます。
実際、ある銀行の営業マンの話を鵜呑みにしてしまい、相続税対策を行った結果、追徴課税の対象となったケースもあります。
そのため、相続税に関するご相談は、税の専門家である税理士に行うようにしましょう。
2 相続税に詳しい税理士にご相談ください
もっとも、税理士の中には、相続税にあまり詳しくない方や、そもそも相続税をほとんど勉強したことがない方もいらっしゃいます。
そういった税理士に相続税の申告を依頼してしまうと、相続税を多く納税することになったり、相続税の申告に問題があり、後々、税務調査に入られる可能性が高くなったりするかもしれません。
例えば、ある税理士に依頼して相続税を申告した結果、土地の評価に誤りがあり、相続税を余分に納める事態になった事例もあります。
また、相続税申告の経験があまりない税理士に依頼してしまった結果、税務調査の対象になり、自宅や職場等に税務署職員が来てしまったという事例もあります。
そのため、相続税の申告を依頼する場合は、「相続税に詳しい税理士」に相談するようにしましょう。
3 相続税に詳しい税理士の見極め方
相続税に詳しい税理士の見極め方としては、基本的に、ホームページ等を確認して、相続税に注力しているかで判断することができます。
例えば、相続税の専門サイトがあるか、税理士の数・事務所の規模はどのくらいあるのか等で、その事務所が相続税に力を入れているのかどうかについて、ある程度判断することができるかと思います。
また、相続税の無料相談を実施している事務所であれば、一度、実際に相談してみて、相続税に詳しそうなのかを確かめることもできます。
実際の相談の際は、今まで相続税の申告を何件行ってきたか、税務署のOBはいるのか、税務調査の経験はあるのか等についても確認した方がよいでしょう。
相続税の申告については、どの税理士に依頼するかによって、結果が大きく異なることがあります。
そのため、相続税の申告を税理士に依頼する際は、相続税に詳しい税理士にご相談されることをおすすめします。
相続税の計算方法
1 相続財産の総額を計算する
相続税を計算する場合、まず、課税対象となる遺産の総額を確定させる必要があります。
相続財産の中には、相続税を計算するうえで、課税対象となるものもあれば、課税対象にはならないものもあります。
たとえば、土地や建物といった不動産や預貯金、有価証券、自動車などは、課税対象となります。
また、一定額以上の生命保険金や退職金、相続開始から遡って3年以内の贈与については、課税対象となります。
他方、墓地や墓石などの祭祀に関するものや、一定額以内の生命保険金や退職保険金は、課税対象外となります。
課税対象財産の価額が確定しましたら、ここから葬儀代や負債を引き、課税対象となる遺産の総額を確定させます。
なお、一般的に、相続税の申告については、課税対象となる遺産の総額を確定させることが一番、時間と労力がかかる部分とされています。
2 基礎控除を超える場合には相続税の申告が必要
課税対象となる遺産総額が確定しましたら、次に、基礎控除額を控除し、基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要となります。
基礎控除額は、3000万円+法定相続人の数×600万円となります。
たとえば、相続人が3人の場合、4800万円が基礎控除額となり、遺産総額が4800万円を超える場合は、相続税の申告が必要となります。
3 相続税の総額を計算する
遺産総額から基礎控除額を控除した後の残高について、仮に相続人が法定相続分どおりに分けた場合に、いくらの相続税がかかるのかを計算し、出てきた相続税額を合算して、相続税の総額を計算します。
たとえば、遺産が預貯金1億円、相続人は、妻と長男、長女のケースで考えてみます。
この場合、1億円から基礎控除額の4800万円(3000万円+600万円×3)を控除すると、残額は5200万円となります。
次に、各相続人の法定相続分は、妻が2分の1の2600万円、長男と長女が4分の1の各1300万円となります。
この法定相続分について、相続税の速算表をもとに計算します。
速算表は、国税庁のホームページにも記載されています。
参考リンク:国税庁・相続税の税率
そうすると、妻は、340万円(2600万円×15%-50万円)、長男と長女は、各145万円(1300万円×15%-50万円)となります。
よって、相続税の合計額は、630万円となります(340万円+145万円+145万円)。
4 各人が納める相続税額を計算する
相続税の総額が出てきたら、各遺産取得者が実際に取得する財産額に応じて、相続税額を分配します。
その際、各人の税額は、個別の事情に応じ、加算や控除を行います。
さきほどの事例(遺産が1億、相続人が妻と、長男、長女の場合)で、長男と長女が遺産を半分ずつ取得した場合、長男と長女には各315万円(630万円÷2)の相続税が課せられます。
他方、妻が全財産を取得する場合、配偶者の税額軽減の特例があり、配偶者は遺産取得額のうち1億6000万円までは相続税がかからないため、今回の事例でも相続税はかからなくなります。
また、たとえば、遺産を取得する方が被相続人の兄弟姉妹の場合、相続税の2割が加算されるため、さきほどの事例で、被相続人の兄が全財産を取得する場合、兄が納める相続税額は756万円(630万×1.2)となります。
5 相続税の申告は、相続税に強い税理士にご相談ください
このように、相続税の計算方法としては、課税される相続財産の総額を確定させることができれば、単純な計算となります。
もっとも、相続税の申告においては、課税される相続財産の総額を計算することが一番難しいとされています。
具体的には、遺産に土地が存在する場合や、上場していない株式が存在する場合、財産の評価が非常に難しくなります。
実際、税理士であっても、土地の評価等を間違えてしまうケースもあります。
財産の評価を間違ってしまうと、相続税の納税額も異なってしまうため、それがきっかけで税務調査に入られる場合や、追加で重いペナルティを課せられる可能性もあります。
そのため、相続税の申告を税理士に依頼する場合は、相続税に強い税理士に依頼されることをおすすめします。
税理士法人心では、相続税の申告について、年間を通して多数行っており、相続税に精通した税理士による無料相談や相続税がかかるかどうかの無料シミュレーションも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
相続税と新型コロナウイルス
1 相続税の申告期限と新型コロナウイルスの関係
一定の条件を満たせば、新型コロナウイルスの影響により相続税の申告が期限内に行えない場合であっても、相続税の申告期限を延長することができます。
そもそも、相続税の申告期限は、原則、相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。
例えば、被相続人が2月1日に亡くなったのであれば、12月1日が申告期限となります。
12月1日が土日祝日であれば、その翌日の平日が申告期限となります。
また、被相続人が2月1日に亡くなったが、亡くなったことを知ったのが、4月1日であれば、翌年の2月1日が申告期限となります。
この期限について、万が一、期限までに申告ができなかった場合、無申告加算税や延滞税、重加算税等といったペナルティーや、税務署から税務調査に入られる可能性があります。
そのため、相続税の申告は、10か月の期限内に行う必要があります。
しかし、例えば、新型コロナウイルスに感染してしまって、思うように申告書作成に必要な資料が収集できない場合や、相続税の申告を税理士に依頼していたが、その税理士が新型コロナウイルスに感染してしまい相続税の申告書の作成ができていない場合など、一律にこの10か月の申告期限を厳守しなければならないというのは、納税者にとってあまりに酷な場合があります。
そこで、このようなケースを救済するため、例外的に、新型コロナウイルスによる影響など、「災害その他やむを得ない理由」がある場合には、相続税の申告期限の延長が認められる場合があります。
なお、相続税の申告に関しては、自動的に期限の延長がされることはありませんので、注意が必要です。
2 期限の個別延長について:令和3年4月15日以前の運用
相続税の納税期限の延長について、令和3年4月15日以前の運用では、申告書に延長する旨の文言を記載するだけで手続きとしては問題ありませんでした。
何か他に申告書とは別の理由説明書等を作成する必要もなく、簡易な方法により、期限延長の手続きが可能でした。
また、期限の延長が認められる理由である「災害その他やむを得ない理由」の有無について、国税庁の「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」の記載によると、「感染拡大により外出を控えている」ということも理由と認められていました。
この「感染拡大により外出を控えている」というのは、ほぼどの人にも当てはまり、厳密な確認をしようがないように思えます。
そのため、令和3年4月15日以前の運用では、かなり緩い要件で期限の延長が認められていたケースもありました。
3 期限の個別延長について:令和3年4月16日以後の運用
⑴ 新しい運用
しかし、いつまでも令和3年4月15日以前の運用が続くことはなく、期限延長を申請する場合には、期限までに申告等をすることができないやむを得ない理由を具体的に説明しなければならないという運用が、令和3年4月6日に発表されました。
これによると、令和3年4月16日以後の期限延長に関しては、災害による申告、納付等の期限延長申請書に、具体的に個々の状況を記載し、提出する必要があります。
そのため、令和3年4月15日以前の運用のように、申告書の余白等に申告書に延長する旨の文言を記載するのではなく、相続税の申告期限の延長をする場合、必ず、期限延長申請書を提出する必要があります。
⑵ 延長が認められる具体例
以下のような場合は、やむを得ない理由が認められるため、相続税の申告期限の伸長が認められると考えられています。
①納税者や相続税の申告を依頼している税理士が、新型コロナウイルスに感染した場合や感染症の患者に濃厚接触した疑いがある場合、基礎疾患があるなど、感染症に感染すると重症化するおそれがある場合などで、保健所・医療機関・自治体等から外出自粛の要請を受けているケース
②納税者などが、現在、外国に滞在しており、ビザが発給されない又はそのおそれがあるなど入出国に制限等があるケース
⑶ 新しい運用では期限の延長が認められにくくなっている
このように、令和3年4月16日以降、相続税の申告期限の延長は認められにくくなりました。
そのため、安易に、期限伸長が認められると考えて申告準備をしていると、期限までに間に合わず、無申告加算税や延滞税等といった重いペナルティーが課せられるおそれがあります。
なお、令和3年4月16日以後の運用について、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」の記載からは、「感染拡大により外出を控えている」という記載例が削除されました。
「感染拡大により外出を控えている」という記載例に近いものとしては、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、生活の維持に必要な場合を除きみだりに自宅等から外出しないことが求められ、在宅勤務の体制も整備されていない等の理由から、経理担当部署の社員の多くが業務に従事できないこと」により「企業や個人事業者、税理士事務所などにおいて通常の業務 体制が維持できない状況が生じたこと」とあり、令和3年4月15日以前よりもかなり具体性や客観性が求められ、運用が厳格になっていることがうかがえます。
参考リンク:国税庁・国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
⑷ 相続税の申告期限の延長申請をする場合の注意点
相続税の申告期限の延長申請をする場合、納税者各人が行う必要があります。
そのため、相続人の一人が延長申請を出し、他の相続人が出さなかった場合、延長申請を出さなかった相続人には、期限の延長が認められません。
また、期限の延長申請をしても、必ずしも延長が認められるとは限らないため、この点についても注意が必要です。
そのため、万が一、期限の延長が認められなかった場合で、期限を徒過してしまうと、無申告加算税や延滞税等のペナルティーが課せられます。
4 新型コロナウイルスを理由に期限延長を考えていた方は注意が必要です
このように、令和3年4月16日以降、運用が変更し、相続税の申告期限の延長が認められにくくなっています。
そのため、認められるかどうか分からない期限の延長申請に頼るのではなく、なるべく期限内に申告をしておいた方が安全です。
万が一、ご自身で手続きをしており、相続税の申告期限までに間に合いそうにない場合は、すぐにでも、相続税に強い税理士にご相談されることをおすすめします。
相続税と非課税財産
1 相続税と非課税財産
相続税は、原則として、相続開始日時点で相続人が所有していた財産に課税されます。
ただし、例外的に、相続税が課税されない財産があります。
相続税が課税されないと言われている主な財産は、以下のとおりです。
- ①墓地や墓石、仏壇、仏具等、日常的に礼拝をしている物
- ②宗教、学術等公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
- ③地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
- ④相続等によって取得した生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- ⑤相続等によって取得した退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- ⑥個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
- ⑦相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う一定の法人に寄附したもの、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの
2 相続税の非課税財産と相続税対策
⑴ 墓地及び墓石の購入
相続開始後、相続人が墓地や墓石を購入しても、債務控除することはできません。
単純に、相続人が自分の財産から支出しただけになります。
他方、生前に墓地や墓石を購入しておけば、その分だけ、相続財産が少なくなるといえます。
そして、墓地や墓石は非課税財産ですので、課税されません。
なお、墓地や墓石の未払金が残っていた場合には、債務控除できないという落とし穴もありますので、亡くなる直前に慌てて購入するというのではなく、計画的に生前に購入し、代金の支払いまで済ませておいたほうがいいといえるでしょう。
⑵ 保険金
保険金は、既に述べたとおり、500万円に法定相続人の数を掛けた金額まで非課税となります。
そのため、財産を現金で保有しているよりも、一時払の終身保険に加入するなどしておくほうが、相続人が受け取る財産の総額は変わらず、相続税を少なくすることができます。
⑶ 退職金
死亡退職金も保険金と同様に500万円に法定相続人の数を掛けた金額まで、非課税財産となります。
非上場会社の役員の方ですと、保険金だけでなく、死亡退職金の非課税枠を有効に利用することができます。
保険金の非課税枠は、500万円に法定相続人の数を掛けた金額まで非課税となるという限界があります。
個人でその金額以上の保険に入っても、相続税から考えると意味がありません。
しかし、非上場会社を契約者、被保険者を役員、受取人を非上場会社としておき、役員死亡時に非上場会社が保険金を受け取り、その金額の範囲内で、役員に対し、死亡退職金を支払えば(適正な死亡退職金でれば非上場会社の経費となります)、死亡退職金についても非課税枠を使用することができ、相続税を少なくすることができます。
3 相続税対策と税理士の重要性
相続税対策は、その方にあった対策が必要となります。
例えば、不動産会社に相続税対策の相談をした場合、マンションを建てることしか提案しませんが、その前にできる、より有効な相続税対策がある場合もあります。
また、相続税対策として、間違っているとまでは言えないものの、必要以上に相続税対策を行いすぎて、相続税は減るもののそれ以上に相続財産が減ってしまった方もいらっしゃいます。
実際に相続税対策をする前に、相続税のシミュレーションをして、自分に合った相続税対策は何かということを、税の専門家である税理士に相談することをおすすめします。
当法人には相続税の申告を得意とする税理士がおります。
どのような対策が適しているのかについてもしっかり対応いたしますのでお気軽にご相談ください。
相続税と法定相続人
1 相続税の基礎控除額と法定相続人の関係
相続税は、基礎控除額以上の相続財産がなければかかりません。
基礎控除額は、法定相続人の人数で決まり、3000万円に、600万円に法定相続人の人数を掛けた金額を加えて、算出した金額となります。
そのため、法定相続人の人数によって、相続税がかかるかどうか、また、かかる場合の相続税の額が大きく変わってきます。
2 特別養子縁組による養子がいる場合の相続税
相続税法上、特別養子縁組より養子になったものは、被相続人の実子と同じ扱いを受けます。
ですので、被相続人に実子が1人、普通養子が2人、特別養子縁組による養子が1人いる場合には、普通養子は1人までしか法定相続人の数に算入されず、実子1人、普通養子が1人、特別養子縁組による養子が1人、合計3人が法定相続人の数に算入され、基礎控除額は4800万円になります。
3 相続開始前に死亡した養子に子がいる場合(出生の時期による違い)の相続税
被相続人の養子に子がおり、被相続人の相続開始前に養子が死亡している場合、養子の子が養子縁組前に出生しているか、養子縁組後に出生しているかによって、相続税法上扱いが異なります。
被相続人とその養子のうち養子縁組後に出生している子のみが基礎控除額を計算する場合の法定相続人の数に含まれます。
ですので、被相続人の養子が相続開始前に死亡しており、代襲相続人(養子の子)が2人いて、そのうち1人は養子縁組前に出生、もう1人は養子縁組後に出生している場合には、基礎控除額を計算する場合の法定相続人の数は、養子縁組後に出生した養子1人のみになり、基礎控除額は3600万円となります。
代襲相続において、養子の子は、養子縁組後に出生している場合に、実子とみなされるということに注意が必要です。
4 被相続人の再婚した配偶者の実子(連れ子)が養子となっている場合
相続税法上、被相続人の再婚した配偶者の実子(連れ子)が養子となっている場合には、その養子は実子とみなされます。
ですので、被相続人に実子1人、養子2人、その養子のうち1人は被相続人の配偶者の実子(連れ子)である場合には、実子1人、実子とみなされる被相続人の配偶者の実子(連れ子)1人、養子1人の合計3人が基礎控除額を計算する場合の法定相続人の数に算入されます。
5 死亡した養子の代襲相続人がいる場合
相続税法上、被相続人の養子が相続開始時点ですでに死亡している場合には、その養子の子(養子縁組後に出生)は、法定相続人の数を算定するうえでは、実子と同じ扱いとなります。
また、実子がいる場合において、基礎控除額を算出の基礎となる法定相続人の人数に加算できる養子の人数は1人までとなります。
ですので、被相続人の養子が3人いて、養子のうちの1人が相続開始前に死亡しており、その死亡した養子には、養子縁組後に出生した子供が2人いる場合、基礎控除額を計算する場合の法定相続人の数は、実子が2人(養子の子供2人)と養子1人(実子がいる場合には、養子は1人まで算入できる。)、合計3人となります。
6 相続人が兄弟姉妹の子・孫である場合の相続税
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合(直系卑属、直系尊属がすでに死亡している場合)で、すでにその兄弟姉妹が亡くなっていれば、その兄弟姉妹子、つまり被相続人からみると甥姪となる者が代襲相続人となります。
しかし、この甥姪が亡くなっている場合には、再代襲は認められていません。
ですので、被相続人の死亡時に、被相続人の妹と弟の孫(弟及び弟の子がすでに死亡しているとする。)の2名が存命している場合には、被相続人の妹のみが相続人となり、弟の孫には、再代襲が認められず、相続人ではないことになります。
基礎控除額を計算する際には、法定相続人は1人として算出します。
このように、被相続人の子及び孫が相続開始時点で、死亡している際には、再代襲が認められ、ひ孫が相続人となるのに対し、兄弟姉妹の孫には再代襲が認められないという違いがあるので、注意が必要です。
7 同時死亡の場合の相続税
同時死亡した場合の被相続人の相続について、その同時死亡した者の間に相続は発生しません。
また、同時死亡は、代襲相続の原因となります。
妻と長男がいる被相続人が交通事故で死亡し、被相続人が運転する自動車に同乗していた妻も同時に死亡したと推定される場合には、長男のみが相続人となります。
さらに、仮に、長男に子供(被相続人からすると孫)がいる場合で、長男も被相続人と同じ交通事故で同時死亡した場合は、孫が相続人となります。
このように同時死亡の場合には、相続税法上の法定相続人も民法と同じ扱いになります。
相続税について何かご不明な点がありましたら、税理士法人心までお気軽にご相談ください。
8 お気軽にご相談ください
相続税申告においては、誰が法定相続人なのかということをしっかり把握しなければなりません。
様々なご事情から、誰が法定相続人になるのか判断が難しいという場合もあるかと思います。
相続税について何かご不明な点がありましたら、当法人までお気軽にご相談ください。