依頼する税理士によって相続税額が変わるのはなぜですか?
1 税理士にも得意分野がある
依頼する税理士によって、相続税額が変わるのは税理士にも得意分野があるからです。
例えば、弁護士の世界でも、交通事故や離婚、相続等、個々の弁護士によって得意分野が変わります。
それと同様に、税理士にも所得税を得意とする税理士、法人税を得意とする税理士、相続税を得意とする税理士というように、得意分野が分化されています。
2 相続税を得意とする税理士が意識している点
では、相続税を得意とする税理士はどのような点に着目しているのでしょうか。
それは、以下の2点に大別する事ができます。
- ① 節税額が大きい特例の適用と遺産分割方法
- ② 土地の評価
以下、この点について解説していきます。
3 節税額が大きい特例の適用と遺産分割方法
相続税申告で節税額が大きい特例は、
- ① 配偶者の税額軽減
- ② 小規模宅地の特例
の2つがあります。
⑴ 配偶者の税額軽減
配偶者が相続を行う時、1億6000万円までは非課税になる制度の事を指します。
この制度をうまく利用する事で相続税を安くする事ができます。
例えば、1億6000万円の遺産全額を配偶者様に相続させる事で相続税が発生しないようにする事が可能です。
他方、1億6000万円の遺産の内8000万円を子供に相続させ、残りの8000万円を配偶者に相続させるとした場合には、子供の8000万円の方に相続税が課税されます。
このように、配偶者の税額軽減を利用する事で節税する事が可能になります。
もっとも、配偶者に全額相続させても、2次相続で相続税が発生することになるのでその間に相続税対策をする事が重要となります。
⑵ 小規模宅地の特例
小規模宅地の特例とは、被相続人の自宅や貸家等の土地について、一定の要件に該当する場合には、その評価額を減額する事ができるとする制度です。
例えば、同居している親族が被相続人の自宅を相続する場合に、その土地の評価が4000万円であった場合には、80%減額し、800万円の評価額とする事ができます。
このように、遺産の評価自体を減額する事ができるため、節税対策にする事が可能です。
ただし、小規模宅地の特例を使用するには誰が相続するかなどについて細かな要件適合性を判断しなければならないため、相続に詳しい税理士に相談しましょう。
4 土地の評価
相続した土地の評価について、その土地が旗竿地であったり、不整形地であったりした場合には、土地の評価額を減額する事ができます。
土地の評価額を減額できると遺産総額自体が下がるため、その分相続税が減額できます。
5 相続税を得意とする税理士にご相談を
このように、相続税を得意とする税理士は、専門的な事項に関する知識を持っているため、他分野が得意な税理士と比較して、相続税を抑える事が可能なのです。
そのため、相続が発生した際には相続税を得意とする税理士に相談するようにしましょう。